キャッシング市場におけるカードローン

今まで借金とは無縁な生活を送ってきましたが、マイホーム購入を考える年齢になり、いろいろと気になることが出てきました。最近よくカードローンの宣伝を見る気がしますが、あれって何なのでしょう? 銀行がノンバンクと同じことを始めたのですか? ノンバンクの名前の前に「ナントカ銀行系」と付いていることもあり、よくわかりません。ノンバンクのキャッシングと銀行カードローンの違いは何なのでしょうか。

キャッシングとカードローンは同じです

かつてノンバンクと呼ばれた消費者金融のキャッシングと、近年銀行が始めたカードローンとは、同じものだと思ってかまいません。どちらも、最初にカードを作って利用限度額を決めます。利用者はその限度額の範囲内でしたら自由に借りられます。返済方法は一括ではなくリボ払いが主流です。たしかに、銀行と消費者金融が提携することも多いので、何だか不思議な感じですね。

きっかけは2010年の法改正にあります。それまで消費者金融は、一人あたりにかなり高額な貸し付けができて、利息もたくさん取ることができました。それが法改正によって、一人あたりの額が厳しく制限され、金利も下げられてしまったのです。そのせいで消費者金融の勢いが衰えました。反対に銀行がその分野に進出してカードローンを始めました。でも銀行にはノウハウがありません。そこで、消費者金融や信販会社と提携してカードローンを運営しているのです。

現在消費者金融では、年収に見合った額しか借りられません。加えて収入のない専業主婦などは消費者金融からは借りられません。一方で銀行は専業主婦にも貸せます。金利も低いため、消費者金融で借りるより銀行で借りた方がお得な状況ができています。ただし、使い勝手の面では、キャッシングに特化している消費者金融の方が便利なこともあります。ご参考になりましたでしょうか。

キャッシングの日本における市場規模はどの程度になっているのか

キャッシングにおける日本の市場はどのような歴史を辿って来たのでしょうか。消費者信用産業の2004年ごろの市場規模は国内だけでも10.2兆円といわれていました。巨大な市場規模です。この頃は、改正賃金業法も制定されておらず、銀行融資が低迷し、消費者金融が優位に立っている状況でした。さらに、消費者金融よりも市場を拡大していたのはクレジット会社のカード利用とキャッシングです。同時代の規模額でいえば銀行は4兆円程度、消費者金融7兆円程度、クレジット会社の利用は11兆円程度と、群を抜いています。誰もがカードで買い物をする時代のピークだったのかもしれません。

しかし、2006年に改正賃金業法が成立し、総量規制や上限金利が規定されてからは消費者金融とクレジット会社は息の根を止められたかと思うように低迷していきます。消費者金融は過払い金請求にも悩まされていましたからそのスピードは加速の一途でした。しかも、2007年に借入利用者が1.170万人だったものが、改正賃金業法が完全施行になった2010年以後、それまで消費者金融を利用していた人が、再び借入の申し込みをしなくなった人の割合は67%に上ります。この割合は、健全利用していた人の中から再利用申し込みをしなかった人です。多重債務者だった消費者は、再申し込みをして審査に通らなかったひと13%、借入を続ける人20%と、総量規制が消費者金融に与えた影響はかなり大きかったものと思われます。

収入の3分の1までの融資と規定されれば、万が一の時に備えて総量規制の対象外である銀行から借入したいと思うのは当然です。さらに、消費者金融は高金利にしてリスクの高い顧客にも貸し付けをしていました。しかし出資法に定める上限金利引き下げが低所得者層への融資に歯止めをかけたこともあり市場規模は縮小に縮小を余儀なくされました。消費者金融側からみれば、市場規模の縮小はマイナスかもしれませんが、貸金業法制定までの時代が過剰な貸し付けだったということで、現在の規模程度で標準規模、適正な水準であるという見方もあるようです。

確かに、希望通りの借入ができなかった消費者がとった行動は、生活費を切り詰める、趣味や娯楽の費用を削る、医療費、ギャンブル、教育費等々と順にその支出を抑えるというものでした。ということは、贅沢をしなければ収入の範囲内でやりくりできるということです。その結果を考えると、消費者金融の過剰な貸し付けや消費者の借金依存はやはり問題だったということになります。借金をしようとする人はどんな手を使ってでも貸してくれるところを探します。また、そのような人に貸付けたい人もいるのは確かです。上限金利引き上げか?という空気もある中、今後の消費者信用産業国内市場規模の動向に注目です。

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